開発責任者
諸田 隆
Takashi Morota
【学歴】
1982年 静岡薬科大学(現静岡県立大学)薬学部 卒業
【職務経歴】
1982~2021年 株式会社ツムラ在籍 分析・製剤研究センター長(理事)などを歴任
現在まで、様々なお肌のトラブルに対して数多くの医薬部外品や化粧品が販売されてきましたが、未だ十分な満足を得られずにお悩みの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。全てのお肌のトラブルに万能な製品の開発は夢物語ですが、前例のない製品を開発すれば既存製品では十分に満足できない方々の一部には必ずや福音となるはずです。このような信念のもと、女性はもちろん、お子様にも安心してご使用いただける保湿機能に優れた新化粧品を目指して開発を継続しております。
本製品の開発の中心となったのは、(株)ツムラで約40年にわたって国内外の植物資源活用に関与した者達です。開発責任者は、残留農薬、重金属、カビ毒などの混入防止、分析を担当する研究所の責任者をしていた安全対策のプロフェッショナルです。
開発にあたり基本的なコンセプトとなったのは、もちろん、リゾームの経営理念です。我々は、この経営理念に合致する素材として、使用経験から類推してお肌の健康を保つことに有用で、さらに素性が明確な植物素材を主たる配合原料として用いることにしました。
検討の結果、この条件に合致する植物素材の中から、古来より使われている「紫根※1 」が最適であろうと結論しました。
紫根※1は、ムラサキ科ムラサキ(学名:Lithospermum erythrorhizon)の根を乾燥したものです。
紫根※1に含有される色素には、保湿と肌荒れの予防作用が報告されており、スキンケア製品を始めとして化粧品原料として幅広く利用されています。ムラサキは、中国、朝鮮半島、日本各地に分布していますが、日本においては減少の一途をたどり、現在は絶滅危惧種に指定されています。日本で化粧品や医薬部外品の原料として利用されている紫根※1は、その殆どが中国やインドなどからの輸入品で、日本産は僅かながら国内で栽培されているものだけです。我々にとっては、栽培方法はもちろん生産者の顔まで明確にわかる100%日本産を使用することが当社の経営理念にそった選択でした。
そこで開発陣自らが東北、北海道のムラサキ栽培地を何度も訪問し、生産者の方々へ自社経営理念に合致した新しい紫根※1配合化粧品開発への我々の熱い想いをご説明しました。この想いにご賛同の上「完全無農薬栽培」によって栽培された紫根※1の購入契約を結ばせていただきました。生産農家で洗浄、一次乾燥された紫根※1は、日本有数の植物素材加工、販売業者である(株)前忠にて最終乾燥の上、原料適合検査を経て、製造に供されるまで厳重に保管されます。この紫根※1は生産、流通、加工まで完全にトレーサビリティが確立されています。中国産に比べると数倍高価にはなりますが、それと引き換えに我々がこだわった品質の原料を安定確保することが可能となったわけです。
紫根※1の主成分はナフトキノンという基本骨格を持つ赤紫色の脂溶性色素群です。この色素群は、例えばアルコールや酢酸エチル等の有機溶媒で容易に抽出することができますが、化粧品に配合するためには、抽出に利用した有機溶媒を完全に除去しなくてはなりません。この工程では加熱も必要ですし、また空気中の酸素に触れて成分変化を来す可能性もあります。その変化は複雑で、化学的にも全容が解明されていないため、できる限り緩和な条件での処理が肝要になります。そこで、我々は髪やお肌の潤いを保つことで知られる椿油※2で紫根※1を低温抽出し、得られた濃厚なシコンオイルをそのまま製品に配合する方法を考案しました。これは、植物成分の特性を知り尽くした開発陣ならではの発想と自負しています。これにより、紫根※1成分はそのままに、更にお肌に良い椿油※2を配合することにより二重の効果を手にすることができました。
使用する椿油※2は、佐賀県の加唐島で収穫されたヤブツバキの種子から低温圧搾法で製された100%日本産の椿油※2です。
これもまた非常に希少かつ高価なものですが、当社の経営理念にかなう素材として使用に躊躇はありませんでした。
製品化にあたっては、安定化と保湿機能を高めるための最低限必要な基剤、添加剤以外は加えておりません。「紫賜根」クリームの淡い桃色は、全て紫根※1由来の色素によるものであり、合成着色料などは一切使用していません。なお、全てのお客様に刺激性がないとはいえませんが、健常者におけるパッチテスト(n=21)により香粧品の皮膚刺激指数による分類において紫賜根は「安全品」に分類されました。
我々の熱い想い、知識と経験を結集して開発した「紫賜根」クリームは、自然からの貴重な賜物を皆様のお肌にお届けすることのできる製品と自負しています。
是非とも「紫賜根」クリームをお試しください。
※1 ムラサキ根エキス(保湿成分) ※2 ツバキ種子油(保湿成分)